「青い日々」

50歳からの多幸感あふれる、幸せな生活

カフェでくつろぐ人の気が知れない


僕にはカフェでくつろぐという概念がない。
人がいっぱいいて、席がゆったりしているわけでもないし、座り心地だってイマイチだ。そんな場所に1時間も2時間もいられない。

まわりの人の目も気になるから、あくびもできないし、鼻くそだってホジホジできないし、見栄っ張りな僕だから、優雅にお茶している雰囲気を醸し出さなければいけないと、いろいろ気になる(これは僕の性格のせいだ)。

でも結構な人たちが、本を読んだりしながら長い時間を過ごしている。家でゆっくりすればいいのに。そう思うが、家ではゆっくりできない理由があるのかもしれない。単に美味しい飲み物が目当てなのかもしれないけど、僕だったらテイクアウトして、どこか一人になれる場所でゆっくり味わいたい。

先日、ディーラーでクルマのオイル交換をしてもらったのだが、隣にスタバがあったのでそこで過ごすことにした(ディーラーで待つよりはましだもの)。そのスタバは郊外店だからまわりには何もないし、クルマも預けちゃったから、そこで過ごすしかなかった。

それにしてもスタバって混んでるんだな、ひっきりなしに人がやって来る。タイミングよく窓際の席に座れた(それはそれで二人席のそこに長居していていいものかまわりの視線が気になる)。

ボーっと外を見ていると、これが意外と面白い。色んなクルマが駐車場に入って来る。降りてくる人を見て、あーこの人はこういうファッションで、こういうクルマが好きなんだ、そんな人間観察を始める。我ながら性格が悪い。

・ガタイのいいお父さんとそのファミリーは、予想通り真っ黒なアルファード
ジープのラングラー、ワイルド系と思いきや意外と普通のお兄ちゃん
・ちょっと古めのボクスター、降りてきたのは服装も地味なカップル(失礼)
マツダやスバルのRVに乗ってる人たちは、あまりクルマに関心なさそうだ

店の中にちょっと個性的なデザイナー物のジージャンを着ているお兄さんがいた。ひとりでコーヒーとクッキーらしきものを食べ終えるとさっさと出ていった。どんなクルマに乗ってるのかと思ったらテールにへこみのある走りや風の86だ。なるほどー、きっと理系な走り屋に違いない。

その86、エンジンがかかるとクルマの下が紫色に光りだした。昼間でもわかるくらい真紫だ。紫の雲の上に乗ったような86は爆音とともに出て行った。はー、色んなこだわりがあるもんだ。

そんなことしていたら、ディーラーからオイル交換が終わったとの連絡が入る。あっという間の1間半、なるほどねー、こういう時間の使い方(つぶし方)もあるのだね。むかし、松任谷由実さんが用賀のファミレスで人間観察しながら詩を書いていたみたいな話を思い出した。

こっそり人の人生を覗いているみたいだが、なかなか面白い。僕は他人への関心が薄いから、少しこういったことでもして社会への順応を高めたほうがいいかもしれない。こんなカフェでの過ごした方もある、新たな発見だ。今度は外を見ながらスパークリングワインが飲める店を探してみたい。

でも次の日の夜。。。腰が痛い。。きっと慣れないイスに長い時間座っていたからだ。人間観察も楽しいけど、くつろいでいたわけではないのだから仕方がない。

結局、くつろぎ方は人それぞれ、何を求めるのか、何を大切にしているのかによって 選択肢が変わってくる。僕にとって一番大切なのは、ひとりで気ままに過ごせるかどうか。だから僕にはお家がお似合いなのだ。あらためてそんなことに気づいたスタバでのひと時だった。