「青い日々」

50歳からの多幸感あふれる、幸せな生活

【スポーツ】菅沼菜々選手の優勝と広場恐怖症

 

軽井沢72ゴルフトーナメントで優勝した菅沼菜々選手、「広場恐怖症」という持病があることで話題になりました。

 

広場恐怖症とはパニック障害の一つで、公共の乗り物、電車や飛行機など自力で外に出られない状況に陥ると発作が起きてしまうそうです。

 

実は僕も同じでした。一時期、神経内科に通っていたのですが、その時は「空間恐怖症」と言われ、頓服薬をもらい、お守りのようにいつも持ち歩き、いざという時に飲むようにしていました。

 

僕の場合、一番怖かったのが通勤の電車、途中で止まってしまった場合などを想像するだけで、いてもたってもいられなくなってしまいます。トイレに行きたくなったらどうしよう、自分のカラダが自分でコントロールできなくなってしまいます。幸い長い間、閉じ込められるようなことはなかったのですが、短時間であっても駅間で止まってしまった時は本気で窓から飛び降りようと思ったこともありました。

 

他にも飛行機は絶対ダメ、それからバスの後部座席や身動き取れない補助席は絶対NGでしたし、新幹線は身動きできるだけましでしたが、それでも怖くて仕方がありませんでした。あと、床屋さんがダメでした、身動き取れない状況がダメなんですね。結婚してからは奥さんにお風呂場で切ってもらっていました。

 

出張もどんなに遠くても新幹線を使っていましたし、その時もマンガなどを買って気を紛らわしていました。それといつも持ち歩いていたのが、ミュージックプレイヤー、小沢健二さんのアルバム「ラブリー」、なぜかこれを聞くと落ち着くんですよねー。私にとっては薬のような存在でした。本当、小沢健二さんには感謝しかありません(こんな感謝のされ方をしたことはないと思いますけど)。

 

こんな経験をしてきたので、今回、菅沼菜々選手のことを知りびっくりした次第です。それにそんな状況で大観衆の中で優勝してしまうのですから、ものすごいことだと思います。きっと私だったら注目された瞬間、逃げ出してしまったと思います。

 

で、こんな私ですが、今はどうかというと、怪しい時もあるのですが、比較的なんともありません。いつからこうなったかは覚えていませんが、段々とたいしたことじゃないと思えるようになってきたのです。

 

たぶん、おじさんになると、何ごとにも「鈍感」になるのだと思います。不安を感じてしまうこと自体が面倒くさくなるのかもしれません。

 

人間って不思議なものですよね。でもよく出来たものだと思います。同じような症状の人にも教えてあげたいけど、私自身もそうでしたが、当時はそんなふうには思えませんでしたので、安易なことは言えません、うまく付き合っていくしかないのだと思います。

 

それから思い出したのですが、当時、一番ホッとしたのが、近くに同じ症状の人がいると聞いたときです。何かのはずみで「俺もそうなんだよねー」みたいな話を聞いたとき、体中がスーッと軽くなり、全身に安心感がみなぎっていくような感覚がありました。自分だけじゃないんだ、それを知ってホッとする感じです。

 

だから今回の菅沼選手の優勝、そして病気に対してのコメントは多くの人を勇気づけたと思います。それを思うとホント素晴らしいです。僕自身も改めて力をもらったような気がしてしまいました。

 

微力でもいいから自分もそんな役割を担えるといいなとも思いました。菅沼選手ありがとう、これからも応援していきます!