雨の日は嫌いではない。
一日中、雨が降り続く。
僕は家に守られて、家の中でぬくぬくと過ごす。
ヒンヤリとした空気感、窓を開けると雨のにおい。
思わずスパークリングワインの封を切ってしまう。
最高だ。
安全地帯から、奇跡の光景を観察する。
土砂降りの雨の中、あえてクルマで出かけるのも好きだ。
僕はクルマに守られながら、好きなところに行くことができる。
まるで移動映画館、僕は特等席に座っている。
車窓からは普段はお目にかかれないような世界が広がり続ける。
雨脚が弱まり、奇跡的に雲の切れ間から光が漏れる。
天国のよう、まだ行ったことはないけどそう思う。
雨の日がこんなに不思議で美しいってこと、みんな知らない。
気づかない、だから僕は気づきたい。
もしかしたら、
普段の光景にも気づいていないこと、たくさんあるのかもしれない。
当たり前だと思った瞬間、当たり前でない光景も当たり前になる。
僕らのいる世界は当たり前のようで当たり前ではないのに。
だから何も見逃したくない。
全てを感じて生きていきたい。
僕はこの世の景色をすべて見てみたい、感じてみたい。
特別なところでなくてもいい。
感じるか感じないかは自分次第だから。
自分が感じることが大事だから。
もうすぐ梅雨入り。
じめじめ、シトシト、外に出るのが億劫になる季節。
いやいや、そうじゃない。
また奇跡の光景が広がる季節がやってくるのだ。
外に出ようじゃないか。
あちこち行って見ようじゃないか。
知ること、感じることで僕らは成長できる。
それが人生ということじゃないかと思う。
そんなことを思った。