どうしても行って見たい場所があった。
遅い夏休み、予定は何もない。
思い切って出かけてみた。
もちろん一人のドライブ旅。
向かうは石川県、能登半島にその場所はある。
「千里浜なぎさドライブウエイ」
もう最高だった。
こんな場所がこの世にあるのか。
心揺さぶられる、そんな場所。
ここは波打ち際をクルマで走ることができる。
皆が思い思いに楽しんでる。
写真を撮っては、はしゃいでいる。
みんな笑顔。
そう、僕もさっきからずっと笑っている。
笑いが止まらない、幸せ過ぎて笑いが止まらない。
こんなこと初めてだ。
奇跡の光景。
その奇跡の中に僕はいる。
そんな時間。
天気予報は雨だったが、雲の切れ間から薄日が差し込んでいる。
海に注ぎ込まれた光が、きらめき輝く。
「すごい、すごい」
ひとり、つぶやく。
まわりから見たら変な人、でもかまうものか。
僕は幸せなのだ、羨ましいだろ。
ここに来たくて、横浜から自分のクルマでやって来た。
この場所を自分のクルマで走ってみたかった。
みんなとワイワイ、そんな旅も楽しい。
美味しいもの食べて、たくさんお喋りして、みんなと一緒に感動する。
それでもドライブ旅はひとりに限る。
ドライブを楽しみ、見たことのない景色に出会う。
そして、全身全霊で気づき感じる。
これが僕のひとりドライブ旅の流儀。
名所にも行かない、美味しいものも探求しない、それでいい。
なんか人生に似ている。
そんなことを思った。