スタートを切るその瞬間、テレビはサブチャンネルの切り替え画面に。
巷でも話題のようだ、ご多分に漏れず我が家も一緒。
なんとか切り替えた時はすでに遅し、世紀の瞬間を見逃した。
一緒に見ていた妻もおかんむりだ。
しばらくしてツイッターを見ると、サブチャンネルがトレンド入りしていた。
おなじ思いをした人がたくさんいたらしい。
買い物から帰ってきた妻にも教えてあげた、ネットでサブチャンネルが話題になっている。
それを聞いた妻は言う。
「サブチャンネル?なんのこと?」
なるほど、つまらないことは忘れるにつきる。
そんなことにこだわっていて何になる。
素直に平野歩夢さんの金メダルに感動すればいい。
金メダルが決まった時の平野歩夢さんのガッツポーズ。
普段はあまりしない、この時は自然と出た。
インタビューでそう言っていた。
それだけ自分自身が納得する滑りだったのだろう。
二回目で高得点が出なかったことに対する思いもあったに違いない。
僕らは自分の感情を隠しがちだ。
嬉しくても悲しくても、常に人目を気にしている。
感動なんてしていない、普通のこと、いつものこと、たいしたことない。
そんなふうに気持ちを押し殺す。
いったい、なんのためにそんなことをするのだろう。
自分の感情を自然に表現できる人は素敵だ。
ウソ偽りのない自分の気持ち。
そんなことができる人になりたい。
そんな何かができる自分になりたい。
金メダルみたいな特別なことじゃなくていい。
些細なことでいい。
そんな日常を送りたい。
そんなことを思った。