「青い日々」

50歳からの多幸感あふれる、幸せな生活

大腸がんでガ~ン 〜その⑫「家に帰る」〜

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退院してまず最初にしたこと、それは「お風呂」に入ること、シャワーですけどね。退院2日前くらいには管も抜けたので、病院のシャワをー浴びてもいいということでしたが、ここまで来たのだからと家に帰ってからゆっくりお風呂に入ることにしました。

 

温かいお湯、湯気にくるまれたお風呂場、何やらいい匂い、そして自分だけの気ままな空間、あったか~い、もうサイコーです。手術の傷あとをおっかなビックリ、優しく石鹸で洗います。いやーもう12日ぶりですよ、どんだけ垢がこびりついていたのやら。病院では毎朝、毎晩、蒸しタオルで顔を拭いていたので、そんなに汚いこともなかったと思いますが、久しぶりのお湯にくるまれ、もう幸せ、ハービバノンノって感じです。

 

なんかね、たった12日ですよ、実際、何も変わってないですよ。でもね、家のソファーに座ったり、テレビを見たり、気ままにトイレに行ったり、のどが渇いたら冷蔵庫から水を出して飲んだり、そして腹6文目にしてねとは言われているものの温かいごはんを食べたり、その何気ないすべてが、貴重なものだと実感しちゃいます。大切なことですよね。

 

夕方、近くのケーキ屋さんまでひとりで行きました。退院のお礼じゃないけど、家族で食べようと買いに行ったのですが、やっぱり体力落ちてるんですよねー、帰りがしんどいこと。このまま帰れなかったらどうしよう、なんて思っちゃいましたが、ゆっくり、そしておっかなびっくり歩いて帰ります。

 

やっぱりどうしても体力が落ちちゃってる、そりゃそうで、入院している12日間で体重が6キロも落ちてしまった。何も運動していないだけでなく、ろくに食事していないんだからそりゃそうです。なんかこう考えると、ダイエットなんて簡単なんじゃないかと思っちゃった。

 

それからお酒を飲んでないせいか、甘いものが食べたくなる。僕は甘いものあんまり好きじゃなくて、普段からお菓子やケーキはほとんど食べないんだけど、なぜかしらクリーム系が食べたくなる。だから自分の退院祝いに自分でケーキを買いに行った次第です。

 

次の日からはなるべく近所を散歩、ホント気持ちいい。なんか色んなことが新鮮です。歩く分にはまったく問題なく、これだったらいつでも会社に行けそうだなと思ったけど、せっかくだからと1週間はゆっくり家で養生することにしました。なんか、こんなにのんびりするのも久しぶり、幸せだなー、でもこの幸せは健康であることが大前提なんだよな、あたりまえのことだけど、普段は感じないこと、生きていく上での大切さなことを知ったような気がします。

 

それでも、うんちがなかなか出なかったり、逆に突然したくなったり、ちょっとした違和感があります。そりゃそうで、腸の機能が完全に回復するのは2~3ヶ月かかるらしいのです。しばらくは食べるものにも気をつけて、お酒も控えて体力回復に努めて行く必要があるようです。

 

その次の週、フルタイムではなく会社に行ってみることにしました。なんとスーツがダボダボ、こりゃかっこ悪い、でも仕方がない。会社に行くと、みんなが僕を好機の目で見ます、やっぱりガンだと言うと、みんなあの人はもう死んじゃうんだと思うんでしょうか。思いのほか元気そうな僕に明るく声をかけてきてくれます。僕もチョー元気になりましたと声を返します。実際、健康的な生活を送っているせいか、以前よりも調子がよく感じます。

 

その日は2~3時間会社にいただけでしたが、やっぱり疲れます、家に帰るとドーンと疲れが一気に出て、なんか少し頭も痛くて、早々に寝てしまいました。やっぱりね、カラダは正直なんだと思います。僕はいままでそんなカラダの声をまったく無視していました、気にしていたのはココロの声だけ。これからは自分のココロに向き合うだけでなくカラダとも向き合い、しかり生きていくことが大事なんだな。それが今回、生かしてもらったことに対する責任だよな、そんなことを思いました。