「青い日々」

多幸感あふれる、幸せな生活

大腸がんでガ~ン 〜その⑬「病理検査の結果、そしてこれから」〜

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退院してから3週間、会社にも普通に行きはじめ、通常の生活にすっかり戻っていました。気になっていたのはこれからの治療のこと。抗癌剤治療をすることになると様々な副作用もあるというし、いろんな準備が必要になる、そんなことを思っていました。

 

退院してはじめての診察日が来ました。手術で取り出した大腸を病理検査した結果がわかります、がんのステージや、今後の治療についても話があるはずです。

 

時間になり、診察室のドアを開けると、そこには教授先生が。「おーどうだい、調子は」、明るく声をかけてきてくれます、「はい、おかげさまで絶好調です」そんな軽口を叩いて応えます。「シャバの空気はどうだい、ふだん感じない、色んなことに気づくでしょ」どうやら、この教授先生はすべてお見通しのようです。たいしたもんだな、そんなこと思ってると、先生は病理検査の結果を示しながら説明を始めます。

 

結果は、リンパ節への転移はなし、血液に一個がん細胞が見られたけど、このくらいであれば大丈夫、ステージは2で抗癌剤治療の必要はないと思われる、それを聞いた瞬間、あーよかったな、という安堵の気持ちと、でもそれでも抗癌剤治療をしたほうが、万全を期す意味でいいんじゃないのかな、そんなことを思い先生に聞いてみます。

 

先生は理路整然と応えてくれます。海外ではステージ2で抗癌剤治療をした場合、保険適用ではなくなるくらい厳格に対応している。それにステージ2でも抗癌剤治療をしたほうが良いと判断される場合もあるが、切り取ったがんが大腸に浸潤(深さ)している状況などを見てもその必要はないと判断する。でもステージ2でも再発する可能性は15%はある、それは経過観察をしていく中でしっかり見ていくこと、そしてもし再発してしまっても、そこで適切な治療をすればいい、そのような説明でした。

 

わかりました。僕は先生にそう伝えると、もう一つしたかった質問をしました。「このがんはいつごろできたものでしょうか」。大腸がんは進行が遅く、正確にはわかないが、4~5年じゃないかな、そう言われました。僕はあーそうか、そう思いました。5年前、突然の異動でしばらく単身赴任生活を送っていたのです。会社生活、人生でこれまで感じたことのない理不尽で苦悩の日々を送らなければなりませんでした。やはりその時の状況は体にも影響を与えていたのだな、そんなことを思いました。

 

そのあとは、病院で皆が真剣に僕のことを思って対応してくれたことが、とても嬉しかったなど、入院で感じたことを伝えました。そして、毎日病室に様子を見に来てくれた先生に「先生休んでるんですか?」そう聞いてみました。すると先生は「先月は29日間出勤で人事から怒られちゃったよ」とひょうひょうと悪戯な笑みを浮かべて応えてくれます。

 

先生はこう言いました。「僕らの仕事は、その時々の状況をきちんと確認しないといけない、それを怠って後で大変なことになったら、治療の意味もなくなるし、余計な負担がかかる、人事にもそう言ってやったんだよ」そしてこんな事も言われました。

 

「若いやつにも言うんだよ、僕らの仕事は誰かに頼まれてやってるわけではない、自分で志願して医者になってやっているんだ、だからやりきらなきゃいけないってね」。僕はそれを聞いてちょっと恥ずかしくなりました。自分の仕事に取り組む姿勢や、何ごとにもそんなに真剣に向き合っていない自分を感じたからです。

 

先生はにこやかに、そして楽しそうに、次は6ヶ月後に来てください、そして「よかったね」そういって僕を送り出してくれました。

 

こうして僕の大腸がんの手術、入院、診察の日々がいったん終わりました。今後どうなるかはわかりません。でも、病気と向き合い、そしてココロとカラダの声を聞きながら、人生を歩んでいきたいと思います。今回感じたこと、気づいたことは僕の大きな財産になりました。この事を忘れないように、そして退院したら、したい、やりたいと思ったことに積極的に取り組んでいきたい、それが僕の、生かされた僕の役目なんだろうな、そんなことを感じました。すべてのことに感謝しながら、お多幸に、そして青い日々を送っていきたいと思うのでした。