「青い日々」

多幸感あふれる、幸せな生活

お多幸な映画 〜時をかける少女の吾郎ちゃん〜

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むかーし昔、尾道三部作という映画がありました、大林宣彦さんが監督をした映画で、「転校生」「時をかける少女」「さびしんぼう」の三部作。

 

 映画自体はね、そんな大した内容じゃなかったと思う。そんなこと言ったら失礼極まりないけど、結構、陳腐な表現もあったりして、いまの若い子が見たら笑われちゃうんじゃないかな。でも、そんなことどうでもいいくらい僕にとっては心に染みいるシーンがたくさんあった、僕にとっては忘れられない映画だ。

 

 「転校生」、いきなりエンディングの話で申し訳ないけど、主人公の一夫が引っ越すことになり、そのクルマをもうひとりの主人公である一美が追いかけるシーンがある。一夫が乗ったクルマを一生懸命に追いかける一美、クルマはどんどん離れていく、感動の別れのシーンなんだけど、一美が追っかけるのをやめた後、そこには踵を返してスキップして帰っていく一美の後ろ姿があった。これって、青春映画のラストシーンとしてベストなんじゃないかと思ちゃった、一美はそこでたたずむわけでもなく、涙にくれるわけでもなく、振り向いてスキップして新しい日常に帰っていく。一夫と一美が送った二人の時間を一瞬に過去のものとして、新しい明日に向かっていった、一美の健気で無邪気な後ろ姿がこの映画のすべてを物語っていたと思う。うーん感動。

 

 「時をかける少女」は当時のアイドル原田知世の主演映画。筒井康隆の原作なのでSFが入っているんだけど、未来から来た深町一夫と原田知世演じる芳山和子がタイムトラベルしながらもお互い惹かれあっていく話。でも僕が好きなシーンは芳山和子が幼馴染の朝倉吾郎の家に行くシーン。吾郎ちゃん(原田知世がこう呼ぶ)の実家は醤油屋でそこで家の仕事を手伝う吾郎ちゃん、そしてそこを訪れる芳山和子、なんてこと無いシーンなんだけど、吾郎ちゃんの芳山和子に対する「あー」というつれない返事、これがなんというか、いい感じなんだよね。女の子が家に来て、恥ずかしいけど、仕事に精を出す振りをする、それでもそんな素振りは微塵も見せずの男前なシーンが僕にはグッと来た。

 

 「さびしんぼう」、主人公の井上ヒロキが富田靖子演じる橘百合子と別れるシーン。百合子の家は貧乏なのかな、お魚を買っているんだと思うんだけどお財布を見て魚をひとつ減らしてもらう、その後ヒロキと会い、別れるシーン、走って帰る百合子が持つ手提げからリボン落ちる。これ計算してないよね、この落ちたリボンを含めた別れの情景がとてもとても美しい。なんか印象にずっと残っています。

 

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自分勝手に印象に残ったシーンを書いてしまったけど。やっぱり映画ってひとつのシーンがすべてを決めるんだよね。この間、久しぶりに映画を見て思い出しました。それで、これまで見た映画のこと思い返してたんだけど、そこでなぜだかポッとこの尾道三部作が思い浮かんだ。なんでだろうなあってずっと不思議に思っていた。

 

 やっぱりこれなんだよね、この印象的なシーンがずっと僕の心から離れないんだ。最初にも言ったけど映画としてはちょっと微妙なところもあるんだけど、この素敵なシーンがそのすべてを正当化させちゃってる。そしてそのシーンが強烈にココロに染み入ってるもんだから忘れられない映画になってる。

 

 なんかこれらのシーンは映画であって映画でないような、一枚の写真のような気がする。そう、この映画は美しい写真なんです、そんな映画がこの尾道三部作です。いまの映画って完成されちゃってるから、こういう映画ってもう出てこないかもしれないな、そんなことも思いながら、週末に久しぶりに見てみようかな、そんなお多幸な気持ちにさせた今日の青い日々なのでした。やっぱり映画ってイイね!

 

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 「ふたり」

 

 街を歩くふたりに

 

 地図はいらないぜ

 

 こんな歌があったっけ

 

 そんなふたりに

 

 なりたいね

 

 目的や目標を持つことは

 

 大事だけど

 

 言葉に出来ないこともある

 

 一緒にいること

 

 うまくいえないけど

 

 それが幸せということ

 

 街を歩くふたりに

 

 時計はいらないぜ

 

 あの歌の続きだ

 

 そんなふたりで

 

 そんな生活

 

 送ってみたい

 

 幸せに気がつかない

 

 そんなふたりに

 

 僕らもなりたい