「青い日々」

50歳からの多幸感あふれる、幸せな生活

書くこと伝わる思い ~清春芸術村にて~

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GoTo松本の旅、清里から松本に向かう途中、「清春芸術村」という場所によりました。観光地には寄らないドライブ旅と言いながら、ここだけは寄りたいと最初から決めていたのです。

 

以前、来たのは20年以上前だと思うんだけど、なぜか印象に残っていた場所。ここは、、武者小路実篤志賀直哉を始めとする白樺派と呼ばれる人たちが作った美術館やらアトリエなんだそうですが、緑の芝生に囲まれた場所にあり、この土地の雰囲気と相まって、独特な空気に囲まれています。

 

施設内には美術館やら図書館やら、レストランなんかもあります。外の芝生にも芸術作品や、なぜだかエッフェル塔の階段なんかもオブジェのように飾られています。

 

それにしてもガラガラなんですね。入口で入場料金を払おうとするのですが、誰も人がいません。仕方なく勝手に中に入りウロウロしてたら、女の人がすみませーんと走って来ました。4連休中なのにね、なんか、とっても牧歌的な雰囲気です。

 

清春白樺美術館に入ると(ここも貸し切り状態)、そこには白樺派と言われる人たちの描いた絵などが飾られていました。ゴッホの複製画などもあります。

 

その中に武者小路実篤さんの書いた自筆の原稿が飾られていました。この人、小説家だと思っていましたが絵も描かれたようです。ご自分の自画像なんかが飾られていました。

 

自筆で書かれた原稿は、汚い字で殴り書きされており、そこには絵を描くことのすばらしさが書かれていました。

 

自分は小説で食べることができるようになって、そのおかげで自分が描いた絵も少しは注目してもらえるようになった、でもそれはあくまで絵に対する注目ではなく、小説家が描いた絵であることに対する注目である。それでも絵を描くことは、小説を書くこととは違う「魅力」がある。

 

そんなことが書かれていました。他愛もない文章なのですが、武者小路実篤という歴史的な小説家が自筆で書いた文章を見て、なんか純粋に一人の人間の思いをそこで感じとった気がしました。絵を描くことが好きなんだな、楽しいんだな、嬉しいんだな、そんな思いが伝わってくる気がしました。

 

何でもそうだけど、思いを伝えることに有名か有名じゃないか、高尚な内容かそうじゃないかなんて関係ないんだと思います。そこに自分の思いがあること、それに尽きるんじゃないかと思います。

 

僕の書いたこんな雑文でも何処の誰でもいいから、何か思ってもらうことができたら、それはそれはステキなことだよな。文豪の書いた文章を見ながら、恐れ多くもそんなことを思い感じる清春芸術村だったのでした。