「青い日々」

50歳からの多幸感あふれる、幸せな生活

お多幸なクルマ選び 〜AUDI TT きっと宇宙にも行けたはず〜

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初代のTTを見た時は衝撃的だった。宇宙船?こんな形の車があるの?なんかポルシェ以来の衝撃。

 

なんかね、フェーラーリやらランボルギーニやらマクラーレンやらNSXなんかもスゴイんだけど基本想定内のスーパーカーデザインなんだよね、空力を意識しながら、サイズ感も無視して(ある意味意識して)とにかくスーパーな車に仕立て上げることを生業としている。それはそれでカッコよくてスーパーなデザイン、スーパーな走りを実現しているわけだから全面的に肯定するわけだけど、このAUDI TTは違う。

 

ALPINE A110に通じるところがあるんだけど、普通サイズの車感の中で実現したスーパーなデザイン、そしてこのTTに感じる圧倒的な機械感、こういう車って購買意欲をソソるんですよね。まさに日常の中の非日常、このバランスが大事なんです。

 

話逸れますが、これってすべての商品に対して重要なことだと思います。これがあっての脱コモディティ、人に情感を与えてなんぼだと思います。コモデティな商品はコモディティに徹すれば良い、そうでないのであれば、日常の中に非日常をどうミックスさせるか融合させるかが肝だと思います。そのデザイン力、バランス感覚が僕らの心を刺激し、なにか得ることができると感じさせ、それが多幸感につながるわけです。ものづくりに関わる全ての人はソレを意識してほしいなと思わけです。偉そうなこと言ってすみません。

 

そんなTTですが、内装も洒落ていた、アルミ感をうまく使いながら、グローブみたいな革素材と融合させてスペシャルティな感じを醸し出していた。シフトノブも野球のボールみたいだった。残念だったのは初代はマニュアルしかなかった、なんでだろうね、別にスポーツカーじゃないんだから、もっとスマートに乗らせてほしいなといつも思う。スマートにマニュアルが操れればいいのかもしれませんが、なんかスポーツ性が高い=高性能=マニュアルみたいな意識がある、単純すぎて嫌いです。そう言う意味ではポルシェが実現したDCT、いわゆるマニュアルよりも優れたオートマは革命的だったと思います。ありがとう、ポルシェ!ワーゲングループ!

 

そんなTT、お値段も390万円からと宇宙船にとしては革命的に安い、そりゃ中身はフォルクスワーゲングループのFF車なんだからそうでしょうけど、このデザインだけでお買い得感満点だと思います。ただね・・・狭いのですよ、むちゃくちゃ狭いの。この外観と引き換えにこの狭い空間を許容するのであれば買いだと思いますが、やはりアバンギャルドと快適性は同居することができないのだろうか、閉所恐怖症、空有感恐怖症的な私としては許容できない狭さでした。これはフォルクスワーゲンシロッコでも感じたところです。そういう意味だとALPAINE A110はすごいよな、まあ二人乗りだけどね、それでもまだまだやれることは多そうです。自動車デザイナーの皆さん頑張ってください。

 

こんな宇宙船TTですが、いつの間にやらモデルチェンジを繰り替えし、今や三代目となりました。そのデザインはというと・・・?まあ正常進化しているわけですが、フツーの車になってしまっているんです。なんでこの車モデルチェンジする必要があるのかね?って感じ。

 

なんかサラリーマン的な発想で、もうデビューから何年立ったからモデルチェンジしなきゃ、デザインはこの部分をもっとモダンにしよう、空力を改善しよう、安全性も向上させなきゃ、密閉感が嫌だという人もいたから開放感を得られるデザインを取り入れよう、なんてことがきっと企画書に書かれて、マーケティング調査の結果も踏まえて、ゴーサインが出されているんでしょうね。もうカローラのモデルチェンジと全く一緒。かつての宇宙船もこうやって普通の車になり果てるのでした。

 

そもそもTTはTTなんだから、AUDIアバンギャルドの象徴として、全く違うモデルとして進化させてほしいもんです。そうなると、次のTTはどうなるのかな、なんて期待できるし楽しいよね。フォルクスワーゲンなんてたくさん車売っているんだから、そういうチャレンジングな試みがあってもいいと思うんですけどね。

 

優れた工業製品を見た瞬間のワクワク感ったらないよね、お多幸感が止まらない。そんなコンセプトでものづくりを進めてくれる自動車メーカーが増えると楽しいなー、くれぐれもギミックに逃げるんじゃなくてねー、と思い感じる青い日々でしたー。