沖縄の海と山 〜備瀬のフクギ並木には何かがいる〜
沖縄に来ています。
約10年ぶりの沖縄ですが、まず圧倒されたのが外国人観光客の多さ、日本人より多いんじゃないだろうか。
調べてみると10年前の外国人観光客は約23万人、それが昨年度はなんと269万人、そりゃ多く感じるはず、観光客誘客キャンペーンや 新国際線ターミナル、大型 クルーズ船寄港の為の 整備などが成果をあげているとのことです。素晴らしい。
コストパフォーマンスもいいんだろうね、土曜日に見に行ったJリーグFC琉球の試合、なんと入場料1500円に駐車場無料、いいよね、こういうの。それで一流のエンターテイメントが満喫できるのだから、うらやましったらありゃしない。
やはり価格に見合う価値が提供できるかどうかは何事にも重要、そういう意味では沖縄全体が価格以上の高い価値を提供しているということなんでしょう。
それでも台湾の方やら中国の方やらで溢れかえっているホテルや観光地の姿は微妙に感じるものです。なんか僕らの大切な場所が軽く扱われているような気がしちゃう。
これって了見が狭いのかな。でもそう感じることは事実なので、僕ら日本人が押し寄せる海外の観光地でも現地の人達は同じように思っているのでしょう。何事もリスペクトが必要、そしてそれを相手に感じさせる行動や態度が必要ということなんだと思います。肝に銘じておこっと。
そんな沖縄、もちろん海のキレイさは特筆すべきものなのですが、今回大変感銘を受けたのがこの地で育つ樹木たちです。
アカギやフクギ、そしてガジュマルといった樹木たち。なんか生きている、そう感じさせる木々、そんな彼らを見て僕もパワーをもらったような気がします。
有名な美ら海水族館の近くにある、「備瀬のフクギ並木」というところに行きました。ここにはその名の通り細い道の両脇にフクギが生えた並木道があって1時間くらいでひとまわり、散歩できるようになっています。
ここは、なんと表せばいいのか清々しい空気に満ち溢れた空間、静と動、なんかこの世の大切なものがここにあるような気がしてきて、心がきれいになるような感じがします。
ホントありがとうございます、とういう感じ、幸せを感じる、きっとここには何かがいるな、そんなふうに思う場所でした。
並木道を抜けるとこれまたきれいな海岸があって、いいなこういうとこ、ずっといたいな、そんな気にさせられます。
しかし、そんな生命感に溢れた沖縄ですが、気になることもありました。それは山を切り崩しているシーンを何回も目撃したことです。
いま辺野古の海を埋め立てて新しい米軍基地を作るということが問題になっていますが、そこを埋め立てるためには当然ながら土砂が必要なわけです。それを山から切り崩しているのでしょう。その山は美ら海水族館に向かう道にあり、反対する人でしょうかプラカードを掲げている人がいました。他にも新しいホテルがたくさん建築中のようで、道には多くのダンプカーが走っていました。
そうなんだよな、なんか10年前に来たときよりも空気に埃っぽさを感じたのです、そして景色に緑が減っているような気がしていたのです。
だからなのか、今回きれいなきれいな海よりも山々やそこに生える樹木たちに目がいきました。テレビのニュースでは辺野古のきれいな海を埋め立てる、サンゴ礁が、といった情緒的な報道しかされませんが、その理由や、そのために切り崩される山のことなどあまり触れられません。
やはり、来て見て、自分で感じることは大切だと改めて感じた次第です。
今回、「ひめゆりの塔」を訪れました。高校の修学旅行以来でした。改めてこの地で戦争が行われたということを理解します。アメリカ軍が上陸して多くの日本人が追い詰められ亡くなったのです。そんなこの地ではありますが、今はアメリカ軍の基地もたくさんあり、結果的に日本人とも共存し、レストランでは米兵さんたちと一緒に食事をしている日常があるわけです。
一言で言えば平和ということなんですが、このような歴史は忘れてはいけないことだと痛感します。
「道の駅かでな」の屋上からは嘉手納基地を見ることができます。ここは戦争をするための基地だということも改めて認識します。もしも朝鮮半島で有事が発生した場合、ここが再び戦争の場所になる可能性だってあるのです。そういったことも認識した上で、平和である今を認識する必要があるのだなと強く感じた次第です。
この「道の駅かでな」の2Fにあるレストランの「ビッグチーズバーガー」、頼んでビックリの大きさ、そして美味しさ、まさに絶品でした。知らずに頼みましたが、このレストランの名物だそうです。
この沖縄のこの場所でアメリカ発祥のこのような食べ物を美味しく食べられるのは先人たちのご苦労のおかげだと思います。
そしてこの当たり前のような平和が貴重なものだということを改めて感じます。
いろいろな刺激や、気づき、感じることができた10年ぶりの沖縄。
備瀬のフクギ並木で感じた何者か、これからもずっとここにいてほしいな、そんなことを感じた旅なのでした。