欲しくてほしくてたまらなかったもの、待ちに待ったもの、ようやく手に入れたけど、なかなか使わないでしまい込んでしまう、そんな時がある。とっておきのタイミングまでとっておこう、そんな感じ。
小沢健二さんの17年ぶりのアルバム「So kakkoii 宇宙」が昨年の11月にリリースされた。このアルバムもなぜだか、今度のとっておきのドライブ、それも一人ドライブの時まで取っておこう、そんな気持ちのまま今に至っていた。
結局、ドライブにも行けずじまいだったので、ようやく「So kakkoii 宇宙」をひとりで聴いた。うーん、久しぶりにお多幸な気持ちに包まれちゃった、やっぱこの人は天才だよね。ミュージシャンじゃなくて「詩人」、そして「発明家」そう思います。
中でも「アルペジオ」という曲の中で紡がれる「語り」、いいよねー、こういうの。
「小沢くん、インタビューとかでは何も本当のこと言ってないじゃない」、これね、あの頃との空気感というか、雰囲気がすごーくよくわかる。こういう詩が今でも書けるって、どういう生き方してきたんだろ、この人。
そして「この頃は目が見えないから」っていう歌詞、まさか小沢健二さんが、こんな詞を歌う日が来るとは思わなかったけど、こんな詩をサラッと歌ってしまえる、それがさっき言ったような生き方、それも素晴らしい歳の取り方をしてきたってことだと思う、完敗だね。
そんなアルペジオを聴きながら、お多幸なひと時を感じさせてくれる一日、久しぶりに素晴らしい時間でした、やっぱ小沢健二っていいね。