「青い日々」

50歳からの多幸感あふれる、幸せな生活

諦めないってこういうことか 〜井上尚弥もすごいけど、拓真にしびれた〜

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昨日のボクシングWBSS勝戦、ノニト・ドネア対井上尚弥、すごい試合でしたね。計量で二人が顔を合わせたときから、いつになく井上選手が緊張してるなと思ったけど(なんか頬がこわばってました)、ノニト・ドネアもすでに36歳、残念ながら全盛期は過ぎており、いつものように早い回でノックアウトするんだろうなと予想していました。

 

ところががどっこい、序盤から井上選手はボディを打たれるなど、らしくない雰囲気が散見され、早くも2回にまぶたを切って流血、9回にはあわやノックアウト寸前というところまでいっちゃいました。井上選手がクリンチで逃げる姿を見て、負けたと思っちゃったもんね(浅はかですみません)。井上選手もらしくなかったんだけど、それ以上にドネアのパンチがキレキレでした。正直始まる前は、ドネアのラストマッチになるんじゃないかと思ってましたけど、まったくのごめんなさいです。

 

それでもそんな劣勢を冷静に跳ね返してしまうのが、モンスター井上尚弥。9回のダウン寸前の状況から盛り返し、11回には強烈なボディーでドネアを悶絶、ノックアウトこそなりませんでしたが、ここで勝負は決まりました。この試合、井上選手はボディをあまり打たなかったんですよね、ドネアのカウンターパンチを警戒してのことかもしれませんが、最後の最後でこのパンチ、実は作戦だったのではないかと思っちゃいました。一体どんな精神構造をしているんでしょう。怖すぎます。

 

それにしても、ボクシングってスゴイスポーツだよね。だって相手と殴り合っちゃうんだから、実際、スポーツと言っていいんだろうかと思っちゃいます。そして勝った者と負けたものが冷酷すぎるほど徹底的に区分されます。残酷といってもいいくらい。だから自分の全てをなげうって勝ちたいと思う、相手に勝つというよりも自分に勝つということなんだろうね。

 

減量して、節制して、禁欲して、我慢して、我慢して、その結果得られるもが勝利でありプライド。ファイトマネーだって世界戦以外はしれている。だからこそ、陳腐な言い方ですが男のロマンと言うか、ハングリー精神というか、本能をくすぐるんですよね。そんな戦う二人の姿は純粋にカッコいいと思います。

 

だから、ロッキーだって、あしたのジョーだって、リングにかけろだって、あれだけ僕らのココロを揺さぶるのです。道具も何も使わない、自分の体だけで戦う姿は僕らの原始的な何か、心の奥にあるものを震わせるのだと思います。なんだろうね、これって。

 

そして、ドネア選手と井上選手の試合も凄かったのですが、実は僕、それ以上に前座で行われた井上尚弥選手の弟、拓真選手の試合にしびれました。拓真選手は4回にダウン、これは相手のウーバーリ選手と結構実力差があるなと思ったのですが、それでも諦めない拓真選手の姿に感動しました。そして拓真選手、パンチ力や技術力では正直、尚弥選手に劣ると思いますが、そのクイックネスさ、敏捷性はピカイチと思いました。そして、何度打たれても繰り返し繰り返し向かっていく拓真選手の精神力、愚直な凄さにしびれました。

 

そして最終回、あわやノックアウトしちゃうんじゃないかと思っちゃたもんね。思わず声が出ちゃった、あともう1ラウンドあったらわからなかったんではないでしょうか。いずれにしても僕にとっては、尚弥選手の試合以上にサイコーの試合でした。ボクシングの素晴らしさ、最後の最後まで諦めない、その尊さを拓真選手は教えてくれた、見せてくれたと思います。

 

たぶん拓真選手なりに、スーパースターの兄に負けたくないという強い思いが、今回の戦いにも現れていたんだと思います。あのクイックネスとこの愚直なまでの諦めないという強い心があれば、これからも尚弥選手とは違った素晴らしい試合を見せてくれると思います。なんか髪の毛を緑になんか染めてて変なのって思いましたが、これからは全面的に応援しちゃいます。お兄さんと一緒じゃなくていいんです、拓真選手ならではの素晴らしいボクシングをこれからも見せてください!と思います。

 

ということで、やっぱりボクシングっていいなーとあらためて思い感じた次第です。やり尽くす、諦めない、徹底的に諦めない、その姿は見ているものを感動させるんだと思います。実はこれって何ごとも一緒なんですよね、だから僕もそんな自分になれるよう、彼らのようなスーパースターにはなれなくても、何ごとにも諦めずに取り組んでいける自分になりたいと思いました。そんなふうに思わせる素晴らしい試合を見せてくれてありがとう!