久しぶりに映画を見た。クリント・イーストウッド主演「人生の特等席(Trouble with the Curve)」。古くてすみません。しかし邦題と原題、なんでこんなにも違うのかね、でも「カーブの問題」じゃ確かに伝わらないね、きっと「カーブ」にも色んな意味があるのだろうけど。
やっぱりイーストウッドおじさんはいいね、メジャーリーグのスカウトの話なんだけど、一途で頑固で不器用で、娘ともうまくコミュニケーションできない。日本でいったら高倉健さんだろうか、健さんはこんな饒舌にはしゃべらないだろうけど、「不器用ですから」でおしまい、そこはお国の違いね。
ストーリはちょっと出来すぎていて、あまりのハッピーエンドっぷりにビックリだったけど、やっぱり映画はこうじゃなきゃね、と思いました。見終わって清々しい気持ちになる。
印象的なシーンは、イーストウッド演じるガスの娘ミッキーと、元メジャーリーガーのジョニー、深夜の誰もいない湖に一緒に飛び込むところ。美しい、とても美しい。普通のキスシーンより、ラブシーンより数千倍心に響きます。なんか見ていて気持ちが高ぶります。こういう演出が映画の最大の良さなんだろうなー。
映画って全体の作りやストーリーももちろん大事だと思うけど、印象に残るシーンやセリフがあるか、というか見ている人の心に響くかが大事で、それがその映画の価値を決定づけるものになるんだと思う。
だから僕はこれまで見た映画でも結構ストーリーは忘れちゃってるんだけど、心に響くシーンやセリフだけは忘れられない。でもそれでいいんだと思う。そのひとつシーンが僕や僕らの人生に彩りを加え、インスパイアしてくれているんだと思うから。
ということで、最近は映画って全然見ていなかったけど、やっぱりいいもんだね。これから時間のある時にもっと見てみよっと。こんな映画を見た次の日は気持ちいいや。さあ、僕らもお多幸な人生を歩みましょう。
「Book」
久しぶりに映画を見たんだ
年の離れた恋人たち
ベッドで本を朗読する
年上の彼女は
真剣な眼差しで
泣いたり笑ったり
本を読んでもらったことなんて
いつのことだろう
本を読んであげたのも
よく考えたら
本も読んでない
いや何もしていない
僕は本屋さんに行き
一冊の本を買ってきた
そして一人部屋で
声に出して読んでみた
ひとりで
ささやくような声で
僕は誰に向かって読んでいるのか
僕は誰かのために読みたかった
誰かのための僕になりたかった
本を読んでる僕は僕ではなくて
誰かのための僕であって
その本もその誰かのものになっていた
僕もいつか
本を書いてみたい
その本は誰のための本だろう
誰かに読まれる本でありたい
誰かのための本でありたい
誰かのための僕でありたい